遺伝子工学の本、入門書、技術書、専門書の紹介,評価,安売り価格

無神論者にもお薦めの、コスモロジー探求の書　評価：

輪廻転生というｺﾝｾﾌﾟﾄを受け入れ得る文化的素地を持つ日本においては、神仏等の存在と、進化論とは、さほど相矛盾せずに受け入れられ得るのかも知れない。
しかし、神がその手で全宇宙を創造したとするユダヤ・キリスト・イスラム的世界観と、進化論とは、相互に排斥しあうものである、と一般的に理解されてきた。
本書は、米国ヒトゲノム研究所の元所長であり、国際ヒトゲノム計画のリーダーを勤めた著者が、第一線に立つ科学者としての立場から、一般の人にも理解できるよう平易な解説を心がけながら、最新の科学的研究の成果に基づいたコスモロジーを展開。

進化論がアメリカで受け入れられない訳を知るための一助　評価：

アメリカは、キリスト教右派の最大派閥で構成されている国である。
この中で、科学者があえぐ姿を知る好著である。
訳者のあとがきにもあるように、75％がキリスト教であり、半数は毎週教会にいき、また聖書を読むのである。
このことは、多様性の国と思われるアメリカの「裏面」を如実に示すものである。
ヨーロッパやアジアには見られない、キリスト教保守派の牙城なのである。
レビューアー諸氏は、対立の構成を逆にみているようであるが、この本は唯神論に立つアメリカ人のために書かれた本であり、神を信じていても科学とは矛盾しないことをゲノム計画の担当者が書いたことに意味があると思われる。